ポートフォリオに「東北の桜」を追加しました

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古殿町にあり、国内最大級のヤマザクラ、越代の桜
福島県古殿町にあり、国内最大級と言われるヤマザクラ「越代の桜」

 

東日本大震災後に撮影し、週刊誌などに発表したものをまとめてみました。

 

「鹽竈桜」(宮城県塩竈市)と「亀ケ森一本桜」(岩手県宮古市)は震災の年に訪ねました。どちらも被災地の近くにあり、訪れる人はそれほど多くはありませんでしたが、「勇気をもらったよ」と桜の姿を見て涙を流す人の姿がありました。岩手山を背に咲く「上坊一本桜」(岩手県八幡平市)もその年に撮影しました。岩手の一本桜としては「小岩井農場の一本桜」が有名ですが、こちらはカスミザクラで、繊細な美しさがありました。

 

福島は番付表が作られるほど一本桜が各地にあります。なかでも阿武隈地方は、樹齢1000年を越える「滝桜」(三春町)やその子孫の「合戦場のしだれ桜」(二本松市)など、全国に知られる桜の古木名木が数多く見られます。近年、カメラマンに人気があるのが、「中島の地蔵桜」(二本松市)です。見頃になると、地元の保存会のみなさんが田んぼに水を張り、ライトアップを行います。2年前に訪ねた時は、水面に映り込む幻想的な桜を撮影しようと、田んぼの畦にはたくさんの三脚が並んでいました。この地域は、震災の影響で観光客が一時減少しましたが、だいぶ回復していました。

 

会津地方も桜の名所が点在します。忘れられないのが「鏡桜」(喜多方市)です。池のほとりに均整のとれた桜の巨木が立っているのですが、朝の柔らかい光が差し込むと、桜にポッと光が灯ったように淡いピンク色に染まるのです。早朝のわずか数十分ほどしか見られませんが、とても感動的な時間でした。

 

早いもので東日本大震災から6年。東北を訪ねるきっかけにしていただければうれしいです。