キツネザルの楽園 アイアイなど50種以上も

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童謡で有名なアイアイや横っ飛びで知られるベローシファカ、手の上にのるほど小さなネズミキツネザルなど、マダガスカルには50種以上ものキツネザルが生息しており、まさに「キツネザルの楽園」です。第5回は、マダガスカル固有の動物、キツネザルについてです。

 

第5回 キツネザルの楽園 アイアイなど50種以上も

 

ベレンティ個人保護区のベローシファカ
ベレンティ個人保護区のベローシファカ

 

ライトをつけ、ヤシの木を照らすと、枝伝いに歩く動物が闇に浮かんだ。「アイアイだ」とガイド。体は白髪のようなよれよれの毛で覆われていて、前歯が2本突き出ていた。耳は異様に大きく、とてもサルとは思えない姿だ。

 

ぼくが訪れたのはマダガスカル東海岸の町、マナナラの郊外にある通称「アイアイ島」。ガイドによれば、アイアイは目にするとよくないことが起こる動物だという。日本では童謡でおなじみのかわいいおサルさんだが、そのイメージとはだいぶかけ離れている。確かに、暗闇で出会ったら悪魔に見えてもおかしくない。

 

マダガスカルはキツネザルの楽園だ。キツネザルはこの島固有の動物で、現在50種以上が確認されているという。

 

中央高地にある首都から車で3時間ほどの「マンタディア・アンダシベ国立公園」には、インドリインドリがすむ。体長は約70㌢で、現存するキツネザルで最も大きな種類だという。早朝、森に響く憂いを帯びた鳴き声は、一度聞いたら決して忘れられない。

 

南部の「ベレンティ個人保護区」では、横っ飛びする姿で知られるベローシファカや白黒の尾が愛らしいワオキツネザルに出会える。また夜間に行うナイトサファリに参加すれば、体長十数㌢のネズミキツネザルを間近で見ることができる。

 

首都にも、キツネザルを手軽に見られる場所がある。「チンバザザ動植物公園」だ。一部のキツネザルが放し飼いにされており、かつて生きていたという巨大キツネザルの骨格標本も展示されている。その体長は何と150㌢以上。人間とほぼ同じ大きさのキツネザルがいたことに、きっと驚かされるはずだ。