第3回はマダガスカルの食事です。主食は米で、一人あたり年間100㌔以上を平らげます。マダガスカルというと遠いアフリカの島国を思い浮かべますが、中央高地地方の棚田の風景を見ればきっと親近感がわいてくると思います。
第3回 大量のコメ食べる国民 見事な棚田の風景も
マダガスカルを訪れて最初に驚くのは、アフリカにも関わらず、東南アジア風の顔立ちをした人がたくさん住んでいることだ。次に驚くのが棚田の風景である。
首都アンタナナリヴの郊外に出ると、丘陵の谷間に水田が広がり、さらに南下すると斜面一面が見事な棚田へと変わる。まるでアジアを思わせる風景だ。
マダガスカル人の祖先は、インドネシアやアフリカ、アラブからやって来たと言われる。主食は私たち日本人と同じ米だ。彼らの一人当たりの年間米消費量は何と約120㌔!その量は日本人の約2倍にあたるという。
アンタナナリヴの市場には、たくさんの種類の米が並ぶ。ほとんどが粒の長い種類だ。炊きあがったご飯の食感はパサパサしていて、粘り気のある米に慣れた我々からすると、ちょっと物足りない。彼らはこれを皿に山盛りにし、少しのおかずと一緒に軽々と平らげる。そして食後は、おこげの残った鍋に水を注いで煮立てたものを飲み、お腹を休める。
朝食には、お粥もよく食べる。中でも赤米の粥はミネラルが豊富で、ほんのりと甘く、とても優しい味がするので、好む人が多い。
朝食といえば、「ムフガシ」も欠かせない。米粉を水で溶き焼いたもので、形は今川焼とそっくりだ。素朴だが飽きのこない味で、ミルクと砂糖のたっぷり入ったコーヒーによく合う。米粉とピーナッツ、砂糖をこねてバナナの葉で包み蒸した「クバ」も根強い人気だ。こうした米粉の軽食も朝食や小腹がすいたときによく食べられている。
マダガスカル人にとって米は、なくてはならない存在となっている。